実は同じモデルでも、両者の性能は違う

CursorとClaude Codeはどちらが優れているのか?

実は、同じAIモデルを搭載していても、両者の得意分野は違います。ざっくり言えば、Cursorは「速くて安い」ツール。Claude Codeは「深くて賢い」ツールです。

この違いがどこから生まれるのか、データをもとに見ていきます。

CursorとClaude Codeの性能・コスト比較

使い分けの判断材料として、性能とコストの数字を確認しておきます。

SWE-bench Proのスコア(同じClaude Opus 4.5使用)

SWE-bench Proは、AIコーディングツールの実力を測る業界標準のベンチマークです。実在するGitHubの課題をAIに解かせ、正解率を比較します。

2026年1月時点のScale AIリーダーボードで、同じClaude Opus 4.5を使った結果は以下のとおりでした。

ツール SWE-bench Proスコア
Cursor 50.21%
Claude Code 49.75%

数字だけ見ると、CursorとClaude Codeはほぼ互角に見えます。

しかし、大量のデータを処理するような作業では、実際にはClaudeCodeの方が優れた結果になりやすい設計になっています。

その理由は、後述するコンテキスト設計の違いです。

実際の作業コスト比較

同じタスクをこなしたときの費用差は、かなり開きます。

調査元 Cursor Claude Code
HaiHai Labs 約$2 約$8 約4倍
DoltHub $8.94 約$80 約10倍

HaiHai Labsの調査では、同一タスクで約4倍の差が出ました。DoltHubの調査では、8時間の作業で約10倍のコスト差が報告されています。

なぜこれほどの開きが出るのでしょうか。Claude Codeのコストが高いのは、それだけ多くの情報を読み込んで処理しているためです。

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なぜ同じモデルでも差が出るのか

同じClaude Opus 4.5を使っているのに、性能もコストも違う。その原因は、AIモデルに「何を見せて、どう動かすか」という周辺設計の違いにあります。

Cursorは「速さとコスト効率」に振った設計

Cursorは、日常のコーディングをテンポよくこなすことに特化しています。

公称では200Kトークン(約15万語相当)のコンテキストに対応とされています。しかし内部ではコンテキストを節約する仕組みが動いており、実際に使えるのは約20Kトークンだという報告もあります。

CursorのMAXモードをONにすればこの制約は外れますが、料金は跳ね上がります。

コードの書き換えにも工夫があります。AIモデルが考えた修正内容を実際のファイルに書き込む処理は、「Fast Apply」という別の軽量モデルが担当しています。つまり、2つのAIが役割分担しているのです。

この設計のおかげで動作は速く、コストも抑えられます。一方で、大きなコードベース全体を把握するのは苦手になります。

Claude Codeは「深さと自律性」に振った設計

Claude Codeは、複雑な作業を自律的にやり遂げることに特化しています。

コンテキストは200Kトークンをフルに活用可能です。コードの書き込みも1つのAIモデルが直接ファイルを書き換えるため、シンプルで精度が高いのが特徴です。

さらに「サブエージェント」という仕組みで、複数の処理を並列に実行できます。コードを書く→テストを走らせる→エラーを修正する→コミットする。この一連の流れを自動でこなせるのです。

その分、処理するトークン量が増えるためコストはかさみます。

「速くて安いが、見ている範囲が狭いCursor」対「遅くて高いが、コードベース全体を深く理解するClaude Code」。この設計思想の違いが、同じモデルでも異なる結果を生み出しています。

CursorとClaude Codeはどっちを使うべきか

ここまでの設計思想の違いを踏まえると、使い分けの方針は自然と見えてきます。それぞれが力を発揮する具体的な場面を整理しましょう。

Claude Codeが強い場面

Claude Codeの真価が出るのは、「広く・深く考える」必要がある作業です。

大規模なリファクタリングがその代表例です。ファイルが数十〜数百にまたがるコード整理では、全体の構造を把握したうえで手を入れる必要があります。200Kトークンをフルに使えるClaude Codeなら、関連するコードを見落とすリスクが下がります。

コード→テスト→修正→コミットの一連の流れも得意分野です。サブエージェントによる並列処理で、これらを自動的にこなせます。人間が1つずつ確認しなくても一気に仕上げてくれる点が、他のツールにはない強みでしょう。

また、要件定義やアーキテクチャ設計のように判断ミスが許されない局面では、コンテキストを節約せずフルに使うべきです。こうした重要な作業には、Claude CodeかCursorのMAXモードを選びましょう。通常モードのCursorでは、見ている範囲が狭いため判断を誤るおそれがあります。

Cursorが強い場面

一方、Cursorが輝くのは「速く・手軽にこなす」作業です。

Cursorの一番の強みは直感的に操作できることです。VS Codeと同じ操作性のエディタなので、普段からVS Codeを使っている人ならすぐに馴染めます。コマンドラインに慣れていない初心者でも扱いやすいのが大きな利点です。

複数のAIモデルを使い分けられる点も見逃せません。Claude以外にGPT-4oやGeminiなど、タスクに応じてモデルを切り替えられます。特定のモデルに縛られない柔軟さがあります。

コスト面の優位性もあります。月額$20の定額プランがあるCursorに対し、Claude Codeは使った分だけ課金される従量制です。日常的な軽い作業をClaude Codeでこなすと、費用がかさんでしまいます。

Cursorが弱い場面

ただし、Cursorには注意すべき場面もあります。

要件定義やアーキテクチャ設計など、プロジェクトの方向性を左右する重要な判断には、通常モードのCursorは向いていません。前述のとおり、コンテキストが節約される設計のため、コードベース全体を見渡したうえでの判断が苦手です。

こうした重要な局面では、Claude CodeかCursorのMAXモードを使いましょう。

まとめ

CursorとClaude Codeの比較で見えてくるのは、ツールの設計思想の違いが、コスト・精度・得意分野のすべてに表れているということです。どちらが上かという単純な話ではありません。

使い分けの基準はシンプルにまとまります。

  • 速さ・コスト重視 → Cursor
  • 深さ・自律性重視 → Claude Code

もちろん、どちらか一方に絞る必要はありません。場面に応じた併用がもっとも効率的です。

この記事を書いた人
せお丸(田中淳介)
理事長

せお丸(田中淳介)

AI駆動開発協会 代表理事 サイバーフリークス株式会社 代表取締役

  • 著書:「AI駆動開発入門」 ※2026年出版予定
  • テック系Youtuber「せお丸」として活動(チャンネル登録者6万人)
  • システム開発会社 代表取締役
  • エンジニア歴20年以上